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第114回「産学官交流」講演会・交流会

今回は、静岡大学に協力いただき、第114回の講演会・交流会を開催いたします。多数の方のご来場をお待ちしております。ぜひこの機会に大学関係者・講演者とご交流いただき、今後の事業活動等にお役立ていただきますようご案内申し上げます。

学校 静岡大学
テーマ 農作物の「品質の見える化」と「ブランド化」
開催日時 平成30年6月27日(水)
講演会/17:00~18:30
交流会/18:45~19:45
会場 講演会/静岡市清水産業・情報プラザ 3階 研修室
交流会/静岡市清水産業・情報プラザ 7階 交流サロン
内容

講演1 『非接触非破壊での農産物の硬さ測定』

静岡大学 工学部/電気電子工学科 教授 犬塚 博 氏

日本の農産物は、輸入される農産物に比べて品質や安全性の高さで消費者に評価されていますが、近年、単なるイメージだけではなく、データによる品質の保証が求められ評価される時代となり、農産物においても会社の経営等で使われる「見える化」が求められるようになってきております。例えば、三ケ日みかんでは甘さの全数検査を行って糖度保証を行ってブランドを高めておりますし、桃やスイカではスーパーで糖度を測定してそれを表示して売るのが当たり前になってきております。

我々は、その様な品質の「見える化」を実現する為に、非接触非破壊での硬さの測定器を研究・開発しております。今まで農産物用の硬さ計は針式の物がスタンダードで、測定した農産物には穴が開いて商品価値がなくなっておりました。それに対し、本手法では圧縮空気を用いて数μ~数十μm凹ませて、その凹み量の時間変化から硬度と粘度の情報を得る手法であり傷が付きません。既に農産物を初めとする多くの測定対象物で針式硬度計と高い相関が得られることが確認できており、農産物の歯応えを保証したり、メロンやアボガドの熟度を判定したり、食品の鮮度評価に用いることが可能です。本装置は本年4月から東京のメーカーから生産・市販されております。さらに本計測器は農産物のみならず、工業製品やプラスチック・ゴム・金属・人体の硬さや粘度測定にも用いることが可能です。

【略歴】1985年名古屋大学大学院工学研究科電気電子工学専攻博士後期課程修了、工学博士、1990年静岡大学工学部電気電子工学科着任、ディジタル計測やディープラーニングの研究、ディジタル計測器の実用化に取り組んでいる。共同研究で開発した計測器がメーカーから多数生産販売されている。

講演2 『地域に根差した園芸作物のブランド化を通じたコミュニティの再生』

静岡大学 農学部/生物資源科学科 准教授 松本 和浩 氏

Keywords : 地域活性化、6次産業化、民藝、コミュニティデザイン、くだもの、リンゴ

植物工場や農業の機械化など、最先端の技術を取り入れた農業の工業化が注目を集めています。篤農家の技術を見える化、マニュアル化して新規就農のハードルを下げる。確かにこれからの時代に必要となってくる技術です。ただ、みんなが一斉にその方向に走っていくのは比較的小規模な農家が地域に根差した農業を行ってきた日本の特性を無視しているようにも思えます。日本の園芸学、特に果樹の世界は、たくみの技術で高品質果実を生産することで世界と異なる発展を遂げてきました。生産する地域、方法、品種、歴史など生産者の様々な「こだわり」とその多様性があったからこそ、日本の消費者の高いレベルの要求に答え続けられているのだと思います。本講演ではまず、前任地、弘前における赤い果肉や高糖度のリンゴのブランド化研究の事例を紹介し、最新の科学的知見を、風土と融合させる重要性を示します。また、園芸作物のブランド化は「もの」ではなく、人々の活動を具現化した「営み」の販売であることを述べます。最後に、静岡大学においてスタートさせたばかりの取り組みの数々を、新たに掲げた「園芸と民藝の融合」というコンセプトを解説することでご紹介したいと思います。「大切に作った農作物」という新たな枠組みを作り、生産者、消費者双方の「愛おしい」という気持ちを育むことで、無農薬、有機栽培などとは違いつつもそれらをも内包する、新たな園芸作物のブランド化を行います。このような活動により、故郷静岡はもちろんのこと、全国各地のコミュニティを再生したいと考えています。

【略歴】1977年清水市生まれ。実家は焼津市。鳥取大学大学院連合農学研究科修了、博士(農学)。イスラエルヘブライ大学、韓国忠南大学等での研究経験を経て、2008年から弘前大学農学生命科学部助教、農場教員としてリンゴの新品種開発とその普及活動に従事。2016年10月より現職。風土に根差した園芸作物を大切に育て、付加価値を生み出す研究を行う。

参加料 無料(交流・懇親会参加者は1,000円/ 軽食・飲物を用意いたします)
定員 30人
申し込み

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静岡商工会議所 新産業課(担当: 増田、堀川)
TEL:054-355-5400 FAX:054-352-7817
E-mail:info@siip.jp

※ 大学側との積極的な交流を図るためにも、ぜひ交流会までご出席下さい。
※ 申込書にご記入いただいた情報は、静岡商工会議所からの各種連絡・情報提供に利用する事がありますことをご了承下さい。
主催 静岡市清水産業・情報プラザ(指定管理者:静岡商工会議所)
共催 新産業開発振興機構
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