人類は、古生代以降火山活動に起因する温暖化により繁茂した動植物から生成された化石燃料を、この百年間に二酸化炭素として一気に放出しているといわれる。CO2削減に有望な手段とされる風力発電は、現在世界で5,925万kWの総設備容量に達し、順調に行けば2020年には意欲的な目標値である全世界の電力需要の12%(25,600TWh)を賄えるところにある。
北西ヨーロッパでは、近年洋上立地が進み洋上の総容量は92.6万kWにも達す。わが国においても、2010年まで30万kW導入を目指している。しかしながら、わが国で本格的な洋上風車を展開していくためには、来襲する台風、急峻な海底地形や軟弱な海底土質などの自然条件や環境面等の社会的制約に、対処する必要がある。
そこで、洋上風車を搭載する支持構造についての動向や研究室で実施した模型実験等を述べ、わが国で洋上風車を実現するための課題や、有望と目される御前崎海域について言及する。 |