第55回(平成21年度第5回)のご案内を差し上げます。 今回は、沼津工業高等専門学校より下記のような内容でご講演いただきます。学校の一部を知ると同時に、先生方との交流も持っていただき、今後の企業活動に活かしてもらえばと考えます。多数のご来場をお待ちしております。
沼津工業高等専門学校
講演1 『高校数学で,こんな制御ができてしまう〜磁気浮上・倒立振子・音〜』
機械工学科 三谷 祐一郎 准教授
講演2 『揺れの制御を事業化する』
電子制御工学科 鄭 萬溶(ジョン マンヨン) 准教授
振動は、自動車、電車、携帯電話からマッサージ器、携帯電話、楽器などに至るまで、さまざまな場面で私たちの生活に密着しています。また、自然界にも海の波浪、地震、風などのように振動で満ちています。人間は古くからこのような振動を利用したり、振動による被害を防ぐために対策をしたりしながら技術を発展させてきています。そのような観点から、本講演では、振動の性質を正確に理解し振動を利用する技術と振動を制する技術についてご紹介します。 私は、これまで地震時に家具、墓石、石材モニュメントなどの転倒に関連する、剛体ブロック型構造物のロッキング振動について研究を行ってきました。ロッキング振動はそのシステムが単純であるにも関わらず非常に複雑な挙動特性を示します。私は特に滑り運動がブロック構造物の回転振動に与える影響とその非線形振動特性の解明に力を注いできております。 なお、静岡県東部の企業と共同研究として、「防振台に組み込むチューンドダンパーの開発」と「バランス測定機の開発」について研究を行っております。これらの研究内容についてもご紹介したいと思います。さらに、Wavelet解析、STFT、線形予測法などの信号処理技術を駆使して人間の音声から意味成分、個人成分、感情成分を抽出するための研究も行っております。この技術は、音声によるヒューマンマシーンインタフェースの実現において重要な技術であり、今後発展が期待される領域の一つであります。