今回は、東海大学・海洋学部より下記の内容でご講演いただきます。最先端研究の内容を知ると同時に、研究者との交流も持っていただき、今後の企業活動等に活かしていただければと存じます。多数のご来場をお待ちしております。
東海大学・海洋学部
講演1 『“まちづくり“を考える 〜漁村の熱い挑戦〜』
東海大学 海洋学部 海洋文明学科 准教授 関いずみ 氏
漁村と関わるようになって約20年経ちました。仕事を始めた当初は、施設や設備といった、いわゆるハード整備が漁村のまちづくりの中心だったような印象があります。けれど徐々に、ハードを活かすためにはソフト対策が重要だということが共通認識されるようになり、まちづくりの核は、人の力や地元の主体性といったものに移行してきた感があります。
ここでは、漁村のまちづくりの事例を紹介しながら、まちづくりとは何か、ということを考え、3月11日の未曽有の災害で、大打撃を受けた地域のこれからや、私たち自身の地域とくらしのあり方について、思いを馳せてみたいと思います。
講演2 『二酸化炭素を吸収する海〜温故知新的方法論〜』
東海大学 海洋学部 海洋地球科学科 教授 加藤義久 氏
1960年代、我が国は高度経済成長のかけ声と共に、国土の改変や産業活動が活発となりました。それは世界の潮流でもあり、富める国と貧しい国の格差は広がりました。その代償として発生した環境汚染は人々の心に暗い陰を落としました。そして、21世紀を迎えるころ、世界の人々は地球規模で環境問題をとらえなければならないと理解するようになりました。現在、私たちは豊かな生活を追い求め、その代わりに大気中に二酸化炭素を放出し続けています。大気二酸化炭素の問題は一国のみの努力では解決しません。「地球環境」とは地球規模で環境を考えることですので、その解決策は簡単でもなく、単純でもありません。
本講演では、政治や経済からはなれて、海の仕組みと機能についてお話しします。 医者が人の病気を治すのに、原因を調べ、その人に適した治療を施すことに似て、地球環境に果たす海の仕組みと役割について知っておくことは、基本的に大事なことであると思っています。