今回は、静岡大学・静岡農業高校・藤枝北高校・焼津水産高校に協力いただき、大学研究者、企業、高校関係者から、「起業・6次産業・新商品開発」をテーマに講演と発表を行います。講演者等と交流を持っていただき、今後の事業活動にご活用ください。多数の方の来場をお待ちしております。
静岡大学・静岡農業高校・藤枝北高校・焼津水産高校
基調講演 『 トマトで起業〜極少量培地の技術普及へ〜 』
静岡大学 農学部教授 糠谷 明氏
静岡大学農学部野菜園芸学研究室は、イチゴ育苗用に開発されたD形状(容積250mL)のポットが10個連結されたDトレイを用いた栽培により、低コストで高収量(40トン/10a)かつ高糖度(6度以上)のトマトを生産する技術を有している。潟Aグリビジネス研究所は、新規に農業ビジネスへ参入する企業に対して事業展開をお手伝いするために設立された、静岡大学発のベンチャー企業である。現在、数社と栽培技術契約を結び、温室の設計からトマト栽培まで幅広く技術指導を行なっている。 近年の景気後退で異業種からの農業参入への問い合わせが増えており、また耕作放棄温室の有効活用の一手段として様々な分野の企業からの問い合わせもある。Dトレイ栽培は、20aを4ブロックに分割し、3.5週置きに定植を行う低段密植の区画分割栽培体系とすることができ、これにより育苗や定植、整枝・誘引、収穫作業を周年にわたって標準化し、より少ない安定した雇用人数での作業が可能となるため、雇用型の企業的経営農業に向いている栽培方法である。
企業発表 『 未来へ続く農業を探して〜ちゃの生の取り組み〜 』
ちゃの生 主宰 豊田 由美氏
2008年、両親の他界をきっかけに富士市の実家に戻り新規就農。標高450mの富士市の山間に、茶畑とブルーベリーに囲まれた自宅を開放し「茶畑レストラン」を開業。 過疎化の進むこの土地で、なにかアイデアはないかと考えるうち、「体験」というキーワードを見つける。山里の風景の中、気軽に「農」に触れてもらう、そして、農業や自然を考えるきっかけをこちら側から提案し、形にするという手法で様々なイベント「田舎時間」や6次産業商品化に取り組む。物事を違う側から捉えることで新たな魅力が広がることを実感しながら活動中。 新しい形の農業を伝えることで、今後の農業を発展させたいと考えている。
研究発表1.『 元気おすそわけ「北高ストア」〜高校生バイヤー、高校生コーディネーターによる地域の活性化〜 』
静岡県立藤枝北高等学校 生徒
農と食により、県立藤枝北高校の生徒と地元の生産者さんが、人と人をつなげることによって地域の活性化を目指す。生徒自身がバイヤー、コーディネーターとなり、地域の食材の掘り起こしと新商品開発に挑戦した。「北高ストア」を通じて、「商品を見る目を養う」・「コミュニケーション能力を培う」・「地域の良さを知る」・「社会の役に立つ喜び」を学ぶ。高校生が地域のブランドを作り、それを継続していくことを目指し発表する。
研究発表2.『 海洋深層水を使ってスイカを栽培〜海洋深層水の利用方法〜 』
静岡県立焼津水産高等学校 生徒
焼津水産高校の生徒が焼津市の深層水ミュージアムで購入できる駿河純水という深層水を使ったスイカ「水産スイカ」を栽培して水道水と深層水の成長の変化を比べる研究をした。 プランターと畑にスイカを植えて、プランターには「愛ラブ」という小玉スイカを使用し、本年5月から8月にかけてスイカを育てた。収穫物の糖度、重さ、大きさを測定したところ興味深い結果がでたため、その結果と考察を発表する。
交流会
静岡農業高等学校食品科学部のパン・ケーキの試食会を通して交流を図る