少子高齢化と人口減少に伴う国内市場の収縮は地域企業にとっても重要な課題となりつつあります。そこで、今回の産学官交流会は、静岡産業大学にご協力いただき、「静岡から挑む海外販路開拓とアジア市場」をテーマに開催いたします。ぜひこの機会に大学関係者・講演者とご交流いただき、今後の事業活動にお役立ていただきますようご案内申し上げます。
静岡大学
講演1 『 アジア最後のフロンティア ミャンマーを知る 』
静岡産業大学総合研究所 客員研究員 中村羊一郎 氏
Keywords :ミャンマー、チャイナ・プラス・ワン、茶文化
近年、中国以外の投資国を探る「チャイナ・プラス・ワン」戦略の必要性が問われている。その中でも、ミャンマーは、勤勉な国民性や豊富な天然資源などを有し、アジア最後のフロンティア市場として、大いに注目を浴びている。 講演者は、我が国の茶文化研究の第一人者として、番茶の研究から東アジア茶文化圏を提唱し、その重要地域としてミャンマーを20年来に渡り現地調査をしてきた。軍事政権時代から民主化に至る直近の動きまでくまなく把握し、ミャンマーに関する膨大な情報を有している。本年3月には、東京新聞出版局から『ミャンマー いま、いちばん知りたい国 』(右写真)を発刊した。
本講演では、ニュースでは伝わりきれないミャンマーの今を、庶民の目線に立って政治・経済・文化と多面的に紹介していく。
※公演前に予め書籍をご一読いただければ幸いです。
<講師略歴> 1943(昭和18年)静岡市生まれ。東京教育大文学部卒。静岡県史編さん室長、静岡市立商業高校長、静岡産業大学教授を経て、2010年から現職。主著に『ミャンマー いま、いちばん知りたい国』『茶の民俗学』『番茶と日本人』などがある。
講演2 『 サムスン電子に学ぶ海外展開 』
静岡産業大学 情報学部 講師 金 炯中 氏
Keywords :サムスン電子、海外展開、販路開拓、標準化・適応化戦略、マーケティング
サムスン電子は売上高201兆ウォン(日本円換算17兆5000億円)、純利益23.8兆ウォン(同2兆700億円)の世界最大の電機メーカーであり、売上高の8割超を韓国国外で稼ぐグローバル企業でもある。サムスンは、グローバル展開に対応する人材育成のため、地域専門家制度(社員を1年間単身赴任させる制度、1990年から延べ4000人以上を派遣)を設けて積極的に海外展開を推し進めてきた。 講演者はこうしたサムスン電子の経営戦略、とりわけ新興国市場への海外展開を深く分析し、いくつかの特徴的な戦略(欧米市場には製品・広告の標準化戦略を取り、一方新興国市場では積極的な現地適応化を行っている等)を見出した。 本講演では、研究結果を通し、海外展開における留意点について事例を交え詳細に解説していく。
<講師略歴> 文部科学省の国費留学生として中央大学で博士号取得。中央大学兼任講師、中央大学企業研究所準研究員、ビジネス・ブレークスルー大学院大学客員研究員などを経て現職。専門は国際マーケティング、マーケティング戦略、韓国企業の国際化など。論文に「国際マーケティングの成功要因に関する実証研究」などがある。