第84回(平成25年度第6回)産学官交流のご案内を致します。 今回は静岡大学にご協力いただき、下記内容の講演を開催します。是非この機会に大学関係者・講演者と交流され、今後の事業活動にお役立ていただきますようご案内申し上げます。
静岡大学
講演1 『 木質資源の有効利用 』
静岡大学 農学研究科 准教授 小島 陽一氏
Keywords :木質資源の有効利用、木質材料、セルロースナノファイバー
木質材料とは、木材を単板や小片などのエレメントに細分化したものに接着剤等の結合剤を添加して熱圧締するなどして、再構成した材料の総称である。集成材・単板積層材・合板・パーティクルボード・繊維板等がある。これら木質材料は、寸法を自由に設計できる、通常捨てられてしまうような低質な木材を原料に使用できる等のメリットを有している。一方、近年、様々な分野でナノファイバー技術が話題になっている。その中でもセルロースナノファイバー(CNF)は全ての植物細胞の基本骨格であり、世界中に1兆トンの蓄積があるとされる。CNFは軽量かつ高強度であり、さらに熱に対して変形が小さいといった、優れた性質を持つ低環境負荷材料として注目を集めている。現在、このCNFを木質材料に応用し、様々な新規材料開発を行っている。講演では、木材を利用することの意義、木質材料に関する知見、さらにはCNFを利用した新規木質材料の開発に関する研究等について分かり易く紹介する。
<講師略歴> 1976年生まれ。名古屋大学農学部応用生物科学科卒、修士修了、2004年博士修了。セルロースナノファイバーの作製、木粉ボードにおけるセルロースナノファイバー混合による補強効果の検証の研究を行った。その他の研究では、木質ボード類の耐久性能評価、竹繊維ポリマー複合材料におけるCNFによる補強効果の検証、低品質材料、未利用バイオマス資源を利用した新規材料開発等がある。
講演2 『 企業活動をわかりやすく効果的に伝えるための技術・デザイン 』
静岡大学 教育学部 講師 塩田 真吾氏
Keywords :CSR活動、教育貢献活動、企業活動、社員教育
企業説明、技術説明、製品説明など、企業では、自社の技術・製品・活動を他者に伝える機会が多い。最近では、CSR活動(社会貢献活動)の一環として、社員が学校で授業を行ったり、学校向けの教材を提供するなどの教育貢献活動を行うことも多くなってきている。こうした活動は、多くの方たちに企業の製品や技術、社会的取組みについて知ってもらうチャンスである。 そこで本講演では、こうした企業活動を社会に効果的に伝えるための技術およびデザインについて、これまでの共同研究の事例をもとに紹介する。
<講師略歴> 1981年生まれ。千葉大学教育学部修士修了、2010年早稲田大学博士修了。専門は、教育工学、授業デザインである。「社会とつながる授業」をテーマに、メディア、キャリア、環境・エネルギー、創造性、企業連携など現代的な課題の「授業デザイン」について工学的に研究しており、現在、様々な企業と共同研究を行っている。