第87回(平成26年度第2回)産学官交流のご案内を致します。 今回は静岡県立大学にご協力いただき、下記内容の講演を開催します。是非この機会に大学関係者・講演者と交流され、今後の事業活動等にお役立ていただきますようご案内申し上げます。
静岡県立大学
「食と健康、薬食同源に関する研究」の紹介
講演1 『 「食品環境研究センター」の開設とその取組み 』
静岡県立大学 食品環境研究センター長 若林 敬二氏
若林 敬二氏
Keywords:食と健康、環境と健康、地域産学の推進、地域への教育・啓発活動 静岡県立大学では、平成26年4月1日、食品栄養科学部に新たに環境生命科学科を設置するとともに、大学院食品栄養環境科学研究院の附置施設として食品環境研究センターを開設しました。当センターでは、食品・栄養・環境科学の各分野の研究を通して、地域における健康福祉の向上と産業の活性化に資することを目指して、「食と健康」、「環境と健康」に関連した研究、および地域への教育・啓発活動などを、種々の研究機関との連携体制のもと実施していきます。
我が国においては、がんや認知症等の疾病が増加しており、大きな社会問題となっています。がんの中でも大腸がん、乳がん及び肺がん等が増えています。大腸がん発生要因としては動物性脂肪、赤身の肉等の関与が報告されています。一方、大腸がん抑制要因としては、食品中のポリフェノール、魚油等が知られています。本講演では、がんの中でも特に大腸がんに着目して、食品による予防方法の可能性等について解説します。
講演2『 「薬食研究推進センター」の紹介と健康科学の実践的研究 』
静岡県立大学特任教授、大学院 薬学研究院 薬食研究推進センター長 山田 静雄氏
Keywords:医薬品、機能性食品、薬食同源、薬食相互作用、排尿障害 超高齢化が進む我が国において、医療費を含む社会保障費が高騰しており、生活習慣病や高齢者関連疾患の予防や治療に貢献する医薬品及び機能性食品の開発とともに、それらの併用も含め有効かつ安全な使用法を指向した基礎研究と信頼性の高い臨床研究の実施が望まれています。特に、医薬品と食品を融合した新領域研究によるライフサイエンスにおけるイノベーションの実現が期待されています。 本学では、11月1日に大学院薬学研究院附属施設として「薬食研究推進センター」を新設しました。本センターでは、健康科学の発展及び健康長寿社会の実現に寄与することを目的とし、事業化を指向した医薬品及び機能性食品・素材に関する学術的な基礎研究の推進及び臨床研究への支援とともに、薬食に関する情報提供並びに専門職及び研究者の養成に関する支援を行っています。本講演では、薬食研究推進センターの紹介とともに、健康食品のノコギリヤシ果実エキスや、九州や沖縄で生育・栽培されるセリ科野菜のボタンボウフウ(別名:長命草)エキスの排尿障害改善作用と事業化などの具体的な取組みなどについて説明し、産学官連携の重要性を伝えたいと思います。