第61回(平成22年度第4回)のご案内を差し上げます。 今回は、静岡理工科大学より下記のような内容でご講演いただきます。最先端研究の内容を知ると同時に、研究者との交流も持っていただき、今後の企業活動に活かしてもらえればと考えます。 多数のご来場をお待ちしております。
静岡理工科大学
講演1『ハイブリッドカーや電気自動車用の駆動モータに使われる永久磁石材料の問題点』
理工学部 物質生命科学科 教授 小林久理眞 氏
ハイブリッドカーや電気自動車用の駆動モータに使われる永久磁石材料が抱える問題を、 1) 資源供給状況 2) 磁石特性 の2方面を中心に簡潔に説明します。 それらの問題に対する政府の対策や、経済産業省、 文部科学省管轄の国家研究プロジェクトの考え方を 説明して、永久磁石の基礎研究全般と、上記の省Dy (ジスプロシウム:ネオジム磁石の保磁力を高めるための元素)プロジェクト研究の関連にも言及しようと思います。また、永久磁石モータなどの将来についても時間の許す範囲で述べる予定です。
講演2 『食品偽装解明のためのDNA鑑定技術開発』
理工学部 物質生命科学科 教授 常吉俊宏 氏
私の研究室で97年に開発したウナギ種DNA鑑定法は、現在、国や各企業で使われ、ウナギ産地偽装表示の解明に役立っています。ウナギ偽装事件が多発した一昨年には、警察から捜査協力の要請があり証拠品鑑定も行いました。昨夏には当研究室の卒業生が勤務する食品加工企業・株式会社光コーポレーションと共同で100匹の「日本種ウナギ」の中の外国種ウナギ1匹の混入でも、1回のDNA鑑定で判別できる方法を開発(特許出願済)し、鑑定にかかるコストと時間を大幅に削減することに成功しました。 この種の手法を用いればウナギに限らず各種食品について、1商品ずつ鑑定する必要なく100あるいは1000以上の原材料または商品から、少しずつの組織を収集して偽装品の混入を敏感に検出することができます。そして流通段階にのっている現物の市場商品についても、安価にDNA鑑定を適用でき、確実で安心な商品の流通を実現することができると考えています。